第3章 お前は誰だ?
「で、こんなもんでいいかよォ?リゾット」
「ああ。そんなものでいい」
ギアッチョはスタンド『ホワイト・アルバム』の能力を使って、子供の手首を後ろの柱ごと凍らせていた。
クロロホルムで一時的に眠らせているため、起こさないよう慎重にかつ、手首をぎっしり固定して、柱に拘束する。
(リゾット。改修工事の監督みてーだな……)
ホルマジオは、柱が氷のオブジェのようになっていくのを、ボーッと眺めた。
夜勤続きで少し疲れていた。
ここは病院の廃墟の庭だが、正確に言えば、イルーゾォの能力が作り出した鏡の中の世界のだ。
アジトに残っているメローネを除いた暗殺チーム全員が入るのを許可されていた。
どんなことをしても、第三者に干渉されることはない。
子供は起きることなく、ぐったりしたまま顔を下にして眠っている。
「フゥ。にしても、まさか仕事が終わった直後に、こんな妨害を食らうとはなァ…」
ギアッチョは振り向いて、皆の反応を伺う。
ホルマジオ、プロシュート、イルーゾォはずっと苦い顔をしていた。
まさか10歳前後の乳臭いガキに一杯食わされるなんて、暗殺チームとしての名折れだと、考えていることは一緒だ。
ギアッチョはその空気を読んで、敢えてキレるようなことはしなかった。
・・・・・
表面上では。