第2章 No.9
「話は分かったぜ。だが、リゾット。だがよ、何でガキが今
・・・・・・・・・・・
2階にいると分かるんだ?もうすでにこの廃墟から逃げちまったんじゃあねェか?」
「……その話は後だ。まずは子供を捕らえてから話す。目覚めてすぐで悪いが、頼んだぞ。イルーゾォ」
「……ああ。分かったぜ」
イルーゾォは廊下の窓ガラスの鏡で、マン・イン・ザ・ミラーの世界入り込む。
リゾットはいつも以上に警戒心を漂わせ、別の場所へ向かった。
そして現在に至る。
役に立たない空っぽの銃を持った子供に、イルーゾォは諭した。
「さてと、取りあえず、銃を扱い慣れているお前が何者なのかを、先に答えてもらおうか?ただ、修道院でタダ飯食ってた乞食のわけじゃあねェよな?どこかの組織の人間か?」
「……」
何も答えない子供にしびれを切らす。
ドガァンッ!
宣言通り相手に休ませる暇を与えず、再びうつ伏せで跪かせる。
ググッ
スタンドを使って、両手だけでなく両足もがっちり固定して、逃げられないようにする。
「すぐに答えなかった罰だぜ」
イルーゾォは鏡の破片を使って、子供の脚を裂いた。
みるみる血が出て、レインコートと同じ赤色が床に広がる。
「悪く思うなよ。一時的に歩けなくするだけだ」
「……」
子供は痛みのうめき声すら上げなかった。
「ずーっーと黙りってことは、やはり、ガキ共の場所を答える気はねえってことか?」
子供の強い眼差しが、その答えを述べている。
イルーゾォは破片を振りかざす。この距離では外すことなく、確実に急所を狙える。
「なら…死ぬしかねえ、なッ!」
ズゥゥンッー! ガンッ!
しかしナイフは、子供の目の前の地面に刺さった。
目と鼻の先にナイフがあるにも関わらず、表情を変えない。
あと数センチずれていたら、確実にこめかみを貫通していたのに。
(口を開くどころか瞬きもしねえとは…やはりただのガキじゃあないか)
脅しのつもりが、あまり効果はないらしいな。まあそれはお互い様か。