第2章 No.9
(さあ…次はどう出る…?)
子供の指の動きでさえ決して見過ごさないようにすると、ゆっくりとマフラーと首の間に手を突っ込んだ。
(ん?)
取り出したのは拳銃で、銃口を向けた。
「うぉっ…!そんな物も持ってたのかよ…?!日本じゃ銃刀法違反じゃあねェのか…?」
「……」
カチッ
引き金を引いたが、弾は出なかった。
「フッ。なんてな。俺はお前のスタンドと弾丸だけ、入るのを許可しなかった。それだけのことさ」
イルーゾォは銃を指差して、得意げに話した。
(まあよお。ガキが銃を隠し持ってることは、リゾットから聞いたことだかな)
数分前、5階でイルーゾォはリゾットに起こさた時に遡る。
「……ん。痛ッェ…」
頭痛がして無意識に頭を抑える。
「イルーゾォ。俺が分かるか?」
視界がぼんやりとして、徐々に精度が上がる。見覚えがある男が顔を見下ろしていた。
「リゾット?あ…リゾット…!ガキ共は……!?」
イルーゾォは部屋を見渡す。子供たちはもうすでにいない。
それどころか、ここは鏡の中ではない。スタンド能力はとっくに解除してしまったのだ。
(確か俺は、鏡の中で9人のガキ全員を監視して……確か、
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首の後ろを殴られたような…)
一瞬の出来事で何をされたかは、よく分からなかったが、犯人は分かっていた。
首の後ろあたりに、
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電流を流されたような強い衝撃を受け、倒れ込むとき、体制が反転して、後ろの犯人を確認できた。
修道院の洗礼服ではなく、赤いレインコートの色をチラリと見えたから、すぐに分かった。
その笑っている口元も。