• テキストサイズ

狼と赤い果実《ジョジョの奇妙な冒険》

第2章 No.9



ギィィガガガガ!!!

「ッ!」
「ぐっ!」
「があああああッ!」

モスキートのような鋭い音が響き、ホルマジオとプロシュートとギアッチョは耳を抑えた。

しかし音は手を通り越して、脳に直接突き刺さるように侵入してくる。

キィィィィィッー!

(あ…頭が…割れそうだ!)

ガガガガガッ!

「ッ!おい…ホルマジオ!」

プロシュートは大声を出したが、ホルマジオは全く気付かず頭を抑えて苦しんでいた。

(声も…!)

騒音に阻まれ周りの音も聞こえないが、目は見えた。

目の前の黒いガキは目と耳を固く塞いでいた。

(何で奴も…?)

奴が発動しているこの能力、リスクがあるのか?

本体にも負担がかかる“諸刃の剣”…それほど追い詰められているってことか

アルビノの少女はヘッドフォンを強く耳に当てていた。

黒いガキが片手で合図を出すと、部屋から急いで出た。

外のギアッチョは恐らくやられている。

「おい!黒いガキは俺が抑える!てめーは白い方を…!」

また大声で意思伝達を試みたが、ホルマジオはすでに倒れていた。

ギィィィィンッ!

(ッ!何だこのガキは…?)


そして、5階でも、

「ッ…!」

リゾットも耳を抑えていた。

気絶しているイルーゾォの容態を診ていたところ、急に超音波が聞こえてきた。

部屋のドアが閉まっていても、壁を通り越して入ってくるほどの規模。

リゾットはすでにピンときてた。

これはスタンド攻撃で、あの日本人の子供の仕業だということを。

仲間にこんな能力を持ってる奴はいないから。

(瞬間移動以外にも、こんな能力が…!)

ここまで響くということは、下の仲間たちはすでに…

こんな大音量にも関わらず、のびているイルーゾォは一向に起き上がらない。

脈は正常だから死んではいないのに、麻酔にかかったみたいに全く起きない。

あの子供、一体何をしたんだ?

何故…

(いや、そもそもこれは音じゃあない)

モスキート音。別名、高周波。電波の周波数が高いことによって起こる現象だ。

耳を塞いだところで容易に防げない。

解除するには本体を叩くしか…




(いや…待て…)

高周波イコール“電磁波”

考えることもままならない喧騒の中、リゾットはある
・・ ・・・
仮説と可能性を見いだした。

だとしたら、奴の能力は…

ゴゴゴゴゴ

/ 60ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp