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狼と赤い果実《ジョジョの奇妙な冒険》

第2章 No.9



この階にまた現れる可能性が高いなら、やることは決まってる。


ギギィ…

プロシュートを先頭にホルマジオと、病室のドアをゆっくり開けた。

ガスは病室にゆっくり流れ込んだ。

ギアッチョはスタンドを出した状態で廊下に待機した。

電子機器がある部屋を1つ1つ探していけば、どこかで子供と鉢合わせする。


病室に入り、静寂がさっきまでの緊張をかき消した。

天井裏にネズミが潜んでるような気配はするも、音のない静かな部屋だ。


トントンッ…!

プロシュートはホルマジオに肩を叩かれ、指された床を見た。

(これは…)

また違う電子機器が、ネズミ取りのようにポツンと置いてあった。

プロシュートは手を伸ばすと、ホルマジオが止めて首を振った。

(待て待て。罠かもしれねえしこの部屋にいる確証もまだねえ。あまり派手な行動はしない方が…)


「グレイトフル・デッド!」

ドゴォンッ!!

プロシュートはスタンドで床ではなく天井に拳をたたき込んだ。

「えぇ?」

ホルマジオは思った直後こんな大きな音を出され唖然とした。

その衝撃で床のホコリが落ちてきたが、別のものも落ちてきた。

バタンッ!

「あッ!」

なんとそれは黒いガキだった。

しかも電源が入った機械を持っている。

プロシュートの推測通り、この子供の能力は電子機器を使って移動するものだ。

(マジ勘のいい奴だな!)

ホルマジオはプロシュートの勘の良さをつくづくさすがと思った。


プロシュートはグレイトフル・デッドの拳を子供に向けた。

子供は床に叩きつけられた上、疲れきって跪いている。

ホルマジオは子供を見下した。

「かくれんぼも鬼ごっこもここで終わりだ。死ぬよりも先に、他のガキをどこにやったか喋ってもらうぞ」

ガスが蔓延しているこの階にいる限り体力は消耗し、死ぬには時間の問題だ。


しかし子供は口を開かず、ゆっくりと顔を上げた。

(何?)

バタンッ!

別室に続くドアからアルビノ少女が、ヘッドフォンを身に付けて現れた。

(は? ヘッドフォン?)

片手で合図のようなものを出すと、黒い子供は耳を塞いでギュッと眼を閉じた。



“食らえ。レディオヘッド…!”



ジキキキィィィッンッ!!!!!

『!』

瞬間、音ではない衝撃が建物内の全ての人間を襲った。

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