第2章 No.9
「どうした!何があった?」
今度は後ろからギアッチョが来た。
プロシュートとホルマジオの注意が逸れたほんの一瞬、子供たちはまた姿を消した。
「クソッ、また一瞬目を離しただけですぐ消えやがった。隠れん坊にしちゃあ本格的過ぎじゃあねェか?!」
ホルマジオは壁にキックして、ギアッチョみたいにキレた。
気持ちを切り替えて、来たばかりのギアッチョに事のいきさつを話す。
「はあ?つまりあいつはどこかのスパイなのか?」
「まだそう決まってねえ。その可能性もあるが…」
「5階でのびているイルーゾォは、そのガキにだまし討ちを食らったってわけか?あの野郎…」
「ああそれは間違いない」
イルーゾォの傲慢さは、チームの誰もが知っていた。
2人が話している間、プロシュートは廊下の隅に落ちてる
・・・・
あるものをペタペタ触っていた。
「おいプロシュート、何やってんだ?」
それは、さっき見つけた“病院用の通信機”だった。
しかもそれは…
「…ホルマジオ。確か黒いガキは最初、リゾットが4階で見つけたって言ってたな?」
「ああ。イルーゾォを叩き起こして来るはずだぜ」
「いや、そうじゃあねえ。ガキが5階から
・・・・
この階に移動してきたってことだ」
「あ?」
変な言い回しをしているが、プロシュートが今1番言いたいことは、
「瞬間移動ができるなら、何でわざわざ
・・
2階に来る必要があるんだ?」