第2章 No.9
「こ、このガキ…!」
有り得ねえ!今、黒髪の方のガキ、俺の…
・・・・・
スタンドの腕を振り払った!
見間違えでなければ、今、黒いガキの腕に
・・
別の腕が重なっているように見えた
俺の腕に走った感覚。ダメージはそれほどでもないが今ので分かった。
(このガキが、スタンド使い…だと…!)
プロシュートは冷や汗をかいた。
弾かれた左腕は、正座した後の脚の数十倍はジンジンする。しばらくは使えない
(もし心臓に直だったら止まったかもしれねえ)
今までいろんな種類の人間を暗殺してきたが、こんな奴は初めてだ。
子供だから無害という固定概念が、結果今回の任務で仇となった。
今まで類もみない敵、本当に迂闊だった。
(だがこのガキ…何の能力かも気になるが、今俺が気になっているのは…)
何でコイツ、こんなハアハア疲れているんだ?
ガキはずっとこちらを警戒して戦う意志はあるようだが、明らかに万全の体調じゃあない
(いや、都合がいい。疲労してるってことあ、“体が暖まっている”ということ。老化させればアルビノのガキより先にへばる)
プロシュートがスタンドを出すと、子供は人影を背後に現した。
その身の構えからして、戦いの素人ではない。
ゴゴゴゴゴ