第2章 No.9
2階には案の定、プロシュートが死体の回収を続けていた。
「プロシュート!」
「ん?どうした?寝坊した時みたいな焦り様じゃあねェか?」
いつも脳天気で軽口なホルマジオが焦ってたから、何かあったとすぐ察した。
「ガキ共が消えた!しかも、その中のジャポネーゼ…黒髪の奴の仕業だ!」
「は?ガキが?」
ジャポネーゼ、確かそんな奴もいたか?
「見張っていたイルーゾォはどうしたんだ?」
「不意打ちでやられた!まだ生きてるが……詳しい話は後だ!まだ遠くにはいねえはずだ!見つけたらガキでも用心し…」
「キャッ!」
『!』
廊下の突き当たりの方から女の子の声がした。
「アイツは…!」
アルビノの少女と、そばには例の日本人の子供もいた。
(俺は階段を使ってここ2階まで下りてきた。階段を使わずにこの数秒で、
・・・・・・・・・・
どうやって降りてきた?)
だが、たまげてる場合じゃあねえ。今ここで捕まえに行くだけだ!
大の大人にただの子供が走って逃げられはしない
・・
ただではない例外もいるが
(アルビノの奴はともかく、ジャポネーゼは手品師とかそんなちゃちなもんじゃあねえ、あんな芸当)
さっき瞬間的に消えたあの技!
今からリトル・フィートで縮め始めさせるところで、時間がかかりすぎる。
そんなにかける時間もねえし、そんな必要もねえ!
ホルマジオは日本人の子、プロシュートはアルビノの子を、スタンドで捕らえようとした。
もう少しで届きそうなくらいの距離であれば、近距離型スタンドで届く。
プロシュートのグレイトフル・デッドの手がアルビノの子の腕を掴む瞬間、
キィンッ!
『!』
ドガンッ!
風船がいきなり割れた破裂音の衝撃のように、振りほどかれた。
(何ッ?!)
バチバチッ!
「グッ!」
電撃のような感覚が腕を伝って、プロシュートは思わず腕を引っ込めた。
アルビノの少女はその隙に、日本人の子の後ろに身を隠した。