第2章 No.9
「今度はかくれんぼのつもりかァ!?」
ホルマジオはカーテンを思いっきり引っ張った。
ブァサッ!
『!』
しかし、そこにいるはずの2人がいなかった。
まるで、飼い主が犬をからかうために、シーツに隠れて消えるマジックをやるみたいに消えてしまった。
「ど、どこだ!何で急に消えやがる?!」
キョロキョロ
窓から顔を出して確認しても、子供の姿は見当たらない。
あたりを見渡すと、地面にめり込んでいる数発の弾丸を再度確認してハッとなる。
「リゾット…!弾丸の破片とか、飛び散って当たったりしてねェ~よな?」
リーダー、大丈夫ですか?と心配した。
「……ああ。それよりもあの子供。想像以上に厄介らしい」
あの行動力に観察力。俺の“スタンド能力”の透過を見抜いた。
何よりさっきの動き。
ホルマジオの“スタンド攻撃”から、白い子供を庇った。
そして今姿を消したのを見て確信した。あの日本人は、俺たちと同じ…
「スタンド使いだ。間違いないだろう」
「は!はぁ?!あ、あんなガキが…!俺たちと同じだと…?」
「だとすれば、イルーゾォが倒されたことも今の現象にも納得がいく。なにより、お前のリトル・フィートの攻撃が
・・・・・・・
見えたからこそ、よけられた」
「ッ!」
スタンドを見れるのは、スタンド使いしか有り得ない。
そしてイルーゾォのスタンド能力は、許可したものを鏡の世界に入れることができる。
許可した対象者がスタンド使いだと知らず、
・・・・・・
スタンドごと鏡の中に入れば どうなるか。
相手のスタンドで不意打ちを受けたと推測するのが妥当だ。
本当にスタンド使いなら、確実に捕らえるのにイルーゾォの能力が不可欠だ。
そして何故だか知らないが奴は疲労している。
しかも仲間を抱えている。そう遠くへは行けないはず。まだこの建物のどこかにいるはずだ。
「俺は上のイルーゾォのところへ行く。お前は下へ行き、2人と合流しろ。あとから追いつく」
「ああ!わ、分かった!」
リゾットは気絶してるイルーゾォがいる部屋へ、ホルマジオは2階にすぐ向かった。