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狼と赤い果実《ジョジョの奇妙な冒険》

第2章 No.9



二階にはプロシュートとホルマジオが待機していた。

リゾットが来るまで、こんな会話をしていた。

「そーいやあよ。今回の山、いくらか聞いてなかったが」

「7000万リラだ」

日本円で約450万円。特殊な依頼なだけあって、いつもより頭一つ上の額だが…

(あの白いガキ売った方がよっぽど儲けになるな…)

「そんなにあのガキ共が気になるかホルマジオ?」

顔に出てたらしく、プロシュートは考えをお見通しだ。

「こんなおいしい話、見逃す奴がどうかしてるぜ。こんな一攫千金のチャンス、滅多にねえじゃあねえか。素直に組織に渡したところで売り飛ばされるのがオチだろ」
      ・
「どうかな。今のパッショーネには“人身売買チーム”はねえからな」

「あぁ?昔はあったのか?知らなかったぜ」

プロシュートが言うように、パッショーネにはかつて人身売買のチームがあった。

しかし何年か前に廃止になり、その成り行きを知る者はボスと最高幹部のごく僅かな者達だった。

「お前がどうしようと勝手だが、どこの馬の骨とも知らねえこれから殺る奴らに便乗するのはどうだろうな?」

プロシュートは暗殺チームとしての矜持を持っている。

ゲス野郎の悪趣味で大金を得たとしても、それは自分の実力で勝ち取ったものではないから快く感じないだろうと思った。

ホルマジオは窓に腰をかけた。

「ヘッ。しかし、悪党からガキを守るなんてことする日がくるとはな。暗殺稼業の俺たちが正義の味方気取りとはね」


「なら、スーパーヒーローに転職するか?」

「!」

ホルマジオは半笑いしてたら、リゾットがいつの間にか後ろにいた。

「んなわけねえだろ。リーダーのアンタも面白くねえジョークを言うな」

「依頼はあくまで“抹殺”だ。子供については、
・・
まだ指示されていない。取りあえずは監視しておこう」

好きにしろという意図なのか。それとも後々指示が出されるのか。

「今メディアで大騒ぎの中、下手に動かせば“こちら側”(パッショーネ)に火の粉が降りかかるやもしれん。しばらくの間見張っていた方がいい」

もし、自分たちが子供といるところを見られたら、修道士たちを殺したのはパッショーネだという疑惑が浮上するかもしれない。

「ガキはあまり好きじゃねえが、その方が賢明だろうな」

プロシュートもリゾットの意見に賛成した。

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