第6章 【閑話休題】ゆきとすず
暫く、柔らかく緩慢な指の抜き差しを繰り返し。
とろとろと、手首まで滴ってくる蜜に満足して、指を引き抜く。
「ゆ、きぃ…も、私、大丈夫なの…?」
「大丈夫も何も、初めから駄目じゃねーから」
熱の、快感の逃がし方が分からないらしくて。
ぐだぐだに力の抜けたすずが、不安そうにこちらを伺っている。
忙しなく、俺の一挙一動を追う視線が可愛くて思わず息を呑むけれど。
媚態に、自身の反応は停めようが無い。
早く中に、と涙を流して乞う自身を取り出す──
途端に、すずの目がきらり、と輝き。
ゆきぃ、と強請るような甘えた声を小さく上げた…俺は裏腹に、大きくため息をつきながら。
「…だからっ…お前、そーいう所だぞ!!」
ほんとに生娘なのかよ、とまた再燃しそうなのを振り切るように。
宛がった穴を一思いに穿つ。
あれだけ時間をかけたのだ、そりゃすんなりと入る。
しかし、やはり殺人的な狭さには変わりない。
はぁっ、と熱い息を吐いては吸う。
すずもそれに倣って深呼吸をしているらしいが、その浅い腹の動きだけで堪らない。
こんなの、どーやって動けってんだよ…
そんな弱音を堪えるように、ぎゅっと目に力を込め、閉じる。
「ゆきっ…ふふ、入ったねぇ」
「っ、あぁ、も、笑うな…!」
「ふふ、ごめん、ね」
その言葉を最後に、すずは突然黙り込んだ。
気になって、ゆるゆると薄目を開ける…
ぼろぼろとすずが泣いているのに、そこで漸く気付く。
さっきの続きか?
それとも、やっぱり怖気付いたか、生娘を捨てた後悔とか、
すんなり入ったと思ったのは俺だけで、物凄く痛いのか…?