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【イケメン戦国】月の兎は冬に焦がれる

第4章 刹那主義






佐助くんがほんの少し、しゅん、と眉尻を下げたのを他所に。
謙信様は今度は私を睨みつける。
そして徐ろに私を床に立たせると、ぐい、と親指で目の下を擦った。



「汚れているな、他の罠にもかかったか?
…手の甲も擦りむけているぞ。

勝手に汚れるなど、ましてや傷をつけるなど許さん」



睨んでる癖に、怒ったように低い声の癖に。
心配気に揺らいだ瞳が、私の身体を上から下までなぞる。
まるで、他に汚れや怪我が無いか、探すように。


その声に、その眼に。
あの夜の記憶が、蘇ってくる――



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