第4章 刹那主義
「…随分とスリリングな余興ですね」
「信玄にしては、なかなか面白そうな事を考えたものだ」
「二人一組って誰と誰!?はい!私は謙信様とがいいです!!」
「あーもう…それでいいじゃねぇか、とっととやりましょう」
四者四様の反応に、信玄様は一段と楽しそうに笑う。
「そうそう、組み分けだが…勝手ながら決めさせてもらった。
謙信と幸村。そして、佐助とだ」
「お、俺と謙信様ですか!?」
「えぇ…私と謙信様じゃなくてですかー!?」
「この城のことを、一番よく知っているのは謙信。次に佐助だ。
となると、この二人は分ける必要がある…そう考えたんだが。
途中で気付いたのさ、佐助の方が城の裏までよく知ってるんじゃないか、とね」
「…なんだと?ここは俺の城だぞ、信玄」
煽られたらしい謙信様がぎらり、と睨みつけるのを物ともせず、信玄様はその肩を軽く叩く…それに謙信様は心の底から嫌そうな表情を浮かべたけれど、やはり笑みを崩さないままで。
ハートの強さに思わず笑いそうになるのを堪えながら、要らぬ火の粉を被るまいと、口の端をキュッと結んだ。
「どちらも負けるのは嫌だろう?
この組み合わせが最適だ、間違いない」