第15章 行動主義
申し訳なさと心もとなさで、一気に頭が重くなってきて。
ゆるゆると、重力に従い視線を下げる──
「かと言って、春日山に戻るべきでも無いと思っている」
──今、なんて?
思いもよらない言葉に、弾かれるように頭を上げた。
光秀さんは変わらず、虚空を見詰めたままだったけれど。
私の視線に応える様に、ゆっくりと此方を向く…
続きを聞きたくなくて、でも止めて、とも言えなくて。
逃げる様に只、目を閉じる。
「の安寧が…謙信殿と共に有るとは思えないから、な」
「…それはまさに、そうかもですねぇ」
暫く間を置いて、私が返せたのは何とも間の抜けた返答だった。
それなのに光秀さんはいつもの様に意地悪を言うでもなく、此方をじっと見ているから、じっと見つめ合う格好になる。
光秀さんの言うことは、十二分に分かっているつもりだ。
その逆も然りだろう、とも…それでも。