第15章 行動主義
きらきらと太陽の光を反射する、海岸線を横目に見ながら、眩しさに目を細め。
お馬さんは快調に飛ばしていく。
途中立ち寄った湧き水で、水分補給をさせていると…お馬さんは私が憂いているのを悟っているかのように、潤んだ優しい瞳で見つめてくる。
馬と心を通わせ、気持ちが全て分かる者が居ると言う──なんて、不思議な事を光秀さんが言っていたけれど。
こんなに賢い馬ならそれも頷けるな、と。
鼻筋を撫でてやろうと手を伸ばすと、目を閉じ頭を下げてくれるから驚くのだった。
途中一日、琵琶湖で渡し船にも乗った。
海と違って波がないから、お馬さんも一緒に運んでもらえた。
現代なら車で一瞬で渡る湖面は、この時代だと透き通っていて。
意外なまでのその深さがよく分かって、ぞっとする…
奇跡的に天候にも恵まれたまま、走ることまる四日。
いよいよ明日の朝には京に入るぞ、と…宿屋で、光秀さんが言うのだった。