第15章 行動主義
「心配しなくていい。
加賀には旧知の仲…と言うほどでも無いな。
腐れ縁がいる」
「お知り合いですか?」
「ああ。
かつては信長様に仕えていた者で、今は加賀の領主をしている男だ」
「へえ…流石の人脈の広さですねっ」
あまり借りを作りたくはないが、この際だ…そんな風には微笑む光秀さんの顔は酷く優しい。
なんだかんだ言って大事なお友達なのだろう。
そう、まるで謙信様と信玄様、みたいな──
そう言えば信玄様や幸村にも、何も言わずに出てきてしまった。
あの時間だから仕方がなかったけど、心配をかけているだろう…
いやいやでも、行くって言ったら止められてただろうし!
振り切るように首を振って、そう言えば、と話を変える。
「ご友人はどんな方なのでしょうね?
急ぎでなかったら、ちゃんとお礼も言いたかったのですが」
「彼奴に礼など必要ないだろう。
むしろ、は会わない方がいいな」
「え、それはどうして…?」
「女となると目がない優男だ。
その癖身体が大きく力も強いし、声が大きくて…疲れる」