第15章 行動主義
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夜の真暗な海は、まさに呑み込まれそう、という言葉がぴったりだった。
灯りが無いとはこういう事か、と戦国時代に居ることを改めて認識して。
身の危険すら感じてすぐに船室に戻ったから…結局いつもよりしっかり寝てすっかり元気だ。
光秀さんとは同じ部屋だったけど、私がこそこそ出入りするのに何も言わなかった。
恐らく、寝息一つ、身動ぎの音ひとつ聞こえてこなかったから、起きていたに違いないのに。
朝も、私より早く起きて身支度を終えていた…
ゆるゆると目を開けて、起き抜けの一瞬自分が何処にいるかわからなくて。
うろうろと視線を彷徨わせると、楽しげに意地悪げに笑ってこちらを観察しているらしい光秀さんと目が合った。
イビキかいてませんでしたか、とひとまずヨダレを拭いながら聞くけれど。
さあな、なんて意味ありげにはぐらかしまた笑う。
この人は意地悪な奴だと、再認識──