第15章 行動主義
──────────
「うーーみーーーー!!!」
海を見たらとりあえず叫ぶ、のセオリーを忠実に守ってみたけれど。
行くぞ、とさらりと流され、ぷしゅっと勢いを抜かれて、光秀さんの後を着いていく。
春日山城から直江津の港まで、二時間ほど走っただろうか…
ここまで乗せてきてくれたお馬さんとはお別れして、ここからは船の旅だ。
陸路より圧倒的に速いなんていうけど…風の問題じゃ?
そんな風に甘っちょろく考えていた私は、戦国時代を舐めていた、と言わざるを得ない…
「で…でかーー!!!」
「流石、直江津の港は栄えている…
このように立派な船が往来しているとはな」
木で作られているとは思えない、壮大な船に数十人の漕ぎ手が乗り込んでいく。
それを待って、私達も乗船した。
武士っぽい人や商人っぽい人、お坊さん…様々な人が乗り込んでいる。
「これで二日かけて加賀の港まで行き…そこからは馬で四日もあれば着くだろう」
「わぁ、じゃあ期日ピッタリくらいにつけますね!」
「むしろ、余裕を持った日程だ」
どこか得意げににやり、と笑った光秀さんが可愛いな、なんて貰い笑いしながら。
ぎぃ、と木が軋む重たい音と共に、大船が滑るように動き出す。