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【イケメン戦国】月の兎は冬に焦がれる

第15章 行動主義






「…私は、私を信じてるのですよ」





戦乱の世でもここまで来れた強運を、
人々との恵まれた出会いを、
貴方を信じている。


鞠さんが割とイッちゃっててヤバいから助けてあげたい、なんて上から目線だとか。
無視したらお使いの光秀さんが危ないかな、とか。
様々なバックグラウンドもある、けれど。




「あの人を乗り越えとかなきゃ…

この先の私に、自信が持てそうにないのですよね」



決して今の状況が、鞠さんのせいだと言うわけじゃないけれど。
あの人が過去の辛酸を私に紐付けているように、私だって少なからずそうなんだもの──



…そんな事考えてたら、急にムカついてきた。
そうだよ、だって主任と鞠さんのイザコザに巻き込まれただけじゃない!?
それで色恋沙汰に自信が持てないとか、代わりだと納得いかないとか、ぐだぐだくだを巻く羽目になっているというのに。


きっと、彼女との因縁を晴らせたなら。
まるで悟りを開いたように穏やかな気持ちで、謙信様と対峙できるに違いないんだもの──



顔面で一人芝居を繰り広げているであろう私を、後ろから手綱を操る光秀さんは覗き込み。
くすり、と笑みをこぼした。


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