第13章 反証主義
「う、ぅ…!!」
不味い、と気づいたけれど、時既に遅かった。
喘ぎ声は泣き声に変わっていく。
悟られたくない、と思えば思う程、身体の震えが止まらない。
謙信様はぐい、と私の腕を無理やり引いて、身体を起こす。
泣き濡れた目が、視線に射抜かれる。
暫くあって、謙信様はゆっくりと口を開いた。
「もう良い。
…泣いて嫌がる女を抱く趣味など無い」
「い、嫌がってなんかいませんっ…!」
「俺が、もう良いと言っているのだ。下がって休め」
絶対的な言葉に、為す術もなく俯く。
目に入った剥かれた衣がやけにはしたなく見えて、力の入らない手を緩慢に動かして身なりを正した。
「…申し訳ありません、謙信様」
謙信様は哀しげにも見える、ひんやりと冷えきった目で此方を見ている。
そんな顔させたく、なかったのに、
「上手に代わりが出来なくて、ごめんなさい、」