• テキストサイズ

【イケメン戦国】月の兎は冬に焦がれる

第13章 反証主義






「う、ぅ…!!」






不味い、と気づいたけれど、時既に遅かった。
喘ぎ声は泣き声に変わっていく。
悟られたくない、と思えば思う程、身体の震えが止まらない。
謙信様はぐい、と私の腕を無理やり引いて、身体を起こす。



泣き濡れた目が、視線に射抜かれる。
暫くあって、謙信様はゆっくりと口を開いた。





「もう良い。

…泣いて嫌がる女を抱く趣味など無い」


「い、嫌がってなんかいませんっ…!」






「俺が、もう良いと言っているのだ。下がって休め」






絶対的な言葉に、為す術もなく俯く。
目に入った剥かれた衣がやけにはしたなく見えて、力の入らない手を緩慢に動かして身なりを正した。




「…申し訳ありません、謙信様」





謙信様は哀しげにも見える、ひんやりと冷えきった目で此方を見ている。
そんな顔させたく、なかったのに、







「上手に代わりが出来なくて、ごめんなさい、」




/ 258ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp