第13章 反証主義
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「ぜってぇーおかしい」
「わかる」
「何も無いなんて嘘だろ」
「ほんとそれ」
「ちょ、ちょ…!
幸村も佐助くんも近い近いっ」
春日山に無事帰還して、早くも一週間が経った。
安土に向け出発した時の、不穏な雰囲気も脱して。
いつも通りの、騒々しくも穏やかな日常を取り戻した…つもりだった。
と言うよりは、取り戻したように見せているつもりだった、のだけれど。
「明らかにおかしいだろ!」
「ど、何処がよっ」
「あー、どこがって…アレだ、な、佐助」
「…何処、とは説明できないけれど。
さんと謙信様の纏っている雰囲気、といえば良いかな」
「そう!それが言いたかったんだよ」
流石に皆の目は誤魔化せなかったらしく、壁際に追い詰められもう逃げ場がない。
とは言え、話せることもなくてのらりくらりと逃げに終始する。