第12章 合理主義
もっとお腹を引き締めといたら良かったな、
せめて朝ごはんを控えておいたらよかった、でも、光秀さんの御殿のご飯はめちゃくちゃ美味しかったな…
そんな後悔が浮かんでは消え。
違う、悔やむべきはそこじゃない、と痛みに思考を引き戻され。
「いっ…!!あ、ぅ、」
もう、背中は腫れ上がっているんじゃないかと思う程。
余す所なく噛み付かれ、熱を持ってひりひりと痛む。
しかしその傷をなぞるように優しく、はたまた抉るように激しく這っていく舌に、快感を見出してしまったらもう声が止まらない。
そうこうしている間に、そろり、と股を割って入り込んできた謙信様の指が、耳を塞ぎたくなるような水音を立てる。
ああ、自分はドMだったんだ…噛まれただけで、準備万端だなんて。
指を出し入れされる音と、私の声、時折悲鳴だけが響く部屋。
視界は薄暗い上に段々滲んできて、息苦しくて、でも気持ちよくて、おかしくなってしまいそうだ。
いっそ、飛んでしまえたら──