第7章 実利主義
割と驚愕の事実を、さらりと言う佐助くん。
たっぷり間を取って驚いてみたものの、事も無げに説明は続く物だから、一旦落ち着こうと深呼吸を繰り返す。
「今回の旅は、その人と君を引き合わせたいが為の旅なのさ」
「で、でも…織田信長様と謙信様は、確か前に同盟を組んでるんだよね?
ふつーにお客さんとして来ちゃダメだったの…?」
私の問いかけに、佐助くんは眼鏡の弦に手をかけた…
レンズが薄明かりを照り返し、きらり、と光る。
「そこは…ほら。
所謂サプライズ?的な?」
お約束通りずっこけながら、そうだ、佐助くんはこう見えてユーモアの分かるタイプだった…と。
私も、渋々ながらサプライズとやらに乗ることになったのだった──