• テキストサイズ

【イケメン戦国】月の兎は冬に焦がれる

第7章 実利主義




──────────────






「わぁ、ほんとに一日もかからなかったねー!」


頑張ってくれたお馬さんを宿屋の厩に入れてやって、青々とした飼葉をてんこ盛りにし。
櫛をかけて、労をねぎらう。
佐助くんは鬣を整えてから、厩の向こうにほんのりと見えていた、巨大な灯りの塊を指さした。



「あれが、目指す安土城」
「へぇ、あれが…でかいね」


「そう、とにかくでかいから気をつけて。

それで…さんには明日、あそこに登城して欲しい」




部屋に戻った私は徐ろに、シンプルな若木色の小袖、それから前掛けを渡される。


「…何の衣装?」


「安土城の、女中衆の来ている着物…制服のようなものかな。

そして、天主まで上がってほしいんだ」




天主。
その名の通り、その城の主がおわす場所…
なんの為にわざわざ、と顔を顰めると、佐助くんは見透かしたように口元を緩めた。



「安土城は、かの有名な織田信長公の居城なんだけれど…

実は、その彼と恋仲にある女性が俺達と同じ。
ワームホールによってタイムスリップしてきた、現代人なんだ」







「…え、えぇえええ!!」



/ 258ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp