第7章 実利主義
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なんてやり取りをしたのが昨日の昼間。
今日はもうそろそろ正午を回る頃。
軍議の途中でお昼ご飯を取るという、安土軍の皆様の仲良しさに驚きつつ…
私はまさにその昼食のお膳を持たされ、天主への階段をひたすら上がっていた。
豪華絢爛を絵に描いたような安土城。
春日山城は広くて横にデカかったけど、こっちはとにかく上にでかい。
もう何段上ったかわからないが、階段をまだまだひたすら上るらしい。
女中さん達が脇目も振らず、洗練された動作でお膳を運ぶのをなんとか見様見真似だ。
お膳の上にも、紅く塗り上げられ金箔の施された豪華な漆器が並ぶ。
落としたらやっぱり首はねられるのかな、なんて恐ろしい事を考えながら…
屋根裏から覗いてくれているらしい佐助くんを、姿は見えないけれど恨みがましく睨む。
確かに何でもするとは言ったけど、と小さく口を尖らせながら。
しかし、周りに怪しまれないように涼しい顔で…
何故こんな事になっているのか、それはまた昨日の夕方まで遡る──