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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第15章 好きという気持ち



「…零には、関係ない」

そんなこと言う予定じゃなかった。
もっと、ちゃんと…

「それもそうですね」

話したかったはずなのに。
零には関係ない、それを肯定されてしまうと…私にはそれ以上なにも言えなくなった。

「ただ○○、男関係はあまり噂を立てられないように気をつけてくださいね」
「どうして…」
「安室透と貴方は、恋人同士ですから」

零には関係ないけれど、透さんには関係ある。
…そういうわけか。

「っ…演技でもなんでも、仮でも…それならどうして、一度も連絡してくれなかったの…っ」

こんなこと、言いたいわけではないのに。

「何度も連絡したのに…メールの一本も返さないで…先輩やお店とは連絡取り合ってたなんて…どこまで私を馬鹿にしたらすむの」

違うんだって。
こんなこと言いたいわけじゃない。
ただ、ただ、…

「恋人同士を演じさせたいなら、…ちゃんと騙して欲しかった」

零の顔が見れなかった。
その時…突然ドンッ、と何かが落ちるような大きな音が別の部屋からして…

「…なに?今の音」
「○○はここにいてください。…僕が見てきますから」
「でも」
「また戻って来ます、待っててください。話の続きは…それからです」

部屋を出て行く零に、私は罪悪感を感じていて…
こんなことが言いたかったわけじゃない。
もっとちゃんと……

しばらく経っても戻ってこない零。
外では慌てたような声がして。
パトカーのサイレンの音がしたときには、流石に部屋から顔を出せば零がそこにいて。

「…○○、部屋から出るな」
「なにがあったの?」
「殺人」

零の意図が、わからなくて。

「○○は体調を崩して今も部屋で休んでいる、それを演じていてくれれば良い」
「私は先輩の部下です…先輩が巻き込まれてるなら私もいないと」
「関わるな、…もう一度そうはっきり言えば分かるか」
「…っ……零は、…ズルいよ」

わかりました、と頷いて部屋の戸を閉めた。
しばらく経って警察の人が来て軽く状況を聞かれたけれど…この部屋にいて音を聞いただけで遺体を見たわけでもない私に、目星は一緒に来ていた人たちだと、すぐに部屋を去って行った。



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