【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第14章 会いたい※微裏
「…あ、美味しい」
「今日はきちんと煮込みました」
「煮込む時間があまりなかったら圧力鍋も便利ですよね。…透さんが時間ない時に使ってます」
「…○○さん、本当に好きなんですね」
その言葉が、嬉しくなった。
「好きです……はい、大好きなんです」
「やっと笑いましたね」
零への気持ちを認めると、少しだけ気持ちが楽で。
自然と笑っていた私に沖矢さんも微笑んできて。
「昨日、貴女を抱いた時に貴女の中には彼しかいないのがよくわかりました」
「…それは、本当にすみません」
「気にしないでください」
今日はどうされます?なんて悪戯に微笑むから。
「遠慮します」
「それは残念ですね」
優しくて、安心して。
大学院に通っているという沖矢さんは、訳あってコナンくんの事情を知って助けることが稀にあるのだと言う。
それが本当でも嘘でも良かった。
気づけばソファで眠っていて。
眠りの中ふわふわとした感覚になんだか楽しくて。
「れい……すき」
幸せな夢を、見た気がする。
手を繋ぐその温もりを離したくなくて、離れる手を引き止めて…
その手にキスをして、また眠りについた。
朝、隣にいる温もりにいつもと違う匂いを感じてすり寄った。
「おはようございます」
聞きなれない声に目を開けば、何故か私に腕枕をしているのは…
「っ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!」
眠い中引き止めた温もりは記憶にあって。
その温もりが沖矢さんだと察すれば、謝ることしかできなくて。
「可愛い寝顔でしたよ」
「ほんっとーにごめんなさい!!」
「……では、お詫びはこちらで」
首筋に口付けられて。
軽い痛みを感じて、何をされたのかと首を傾げた。
「次に彼氏さんに会えたら、仲直りできるおまじないです」
「…もう二度と会えないかもしれませんけど」
「大丈夫ですよ」
根拠もない言葉に、なんだか笑ってしまう。
沖矢さんといると気持ちが楽になる。
「また来ても良いですか」
「勿論です、よかったら今夜も来てくださって大丈夫ですよ」
「いやいや、流石にどうかと」
「怖くなったらまた来てください」
ありがとうございます、と告げて。
お礼に朝ごはんを作って一緒に食べた。
零以外の男の人と二人きりで朝を迎えてご飯を食べたのは、初めてだった。
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