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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第14章 会いたい※微裏



探偵事務所について、先輩から休みの日に伊豆高原の別荘に園子さんが招待していると伝えられた。

「私もですか?」
「最近元気ないの、あいつらも気にしてたぞ」

そんな気分じゃない、とは断りにくくて。

「日帰り、ですよね?」
「泊まり」
「………えー…」
「いいから開けとけ!」

なんて強引なんだろう。
仕方ないと頷いて。

「バイト代出るなら」
「出さないけど来い」

法律上強制力皆無じゃないですか、とごねても無視されて。
こんな強引な先輩は珍しいから、仕方ないと諦めた。
…それに、沖矢さんのおかげで少しだけ気分もスッキリしてる。

これから先、零のいない生活に慣れていかないといけない。
それでも私は降谷零のことを人に話さないのだろう。

「今回だけですからね」

心配をかけてるのは私だから、そのお詫びとして今回は伊豆に付き合うことを約束した。


仕事終わりに酒屋さんに寄って。
お気に入りのバーボンウイスキーを購入した。
プレゼント用に包装してもらい、沖矢さんがいる工藤新一くんの家に。

「あれ、また来られたんですか」
「お礼です、これ」
「このウイスキー僕も好きなんです」
「だと思いました、ご自宅のお酒見た時からこれも並べたいなって思ってて」

今日はお礼で、と告げて渡して。

「呑んでいかれないんですか?」
「週末に予定が入ったせいで準備があるんで」
「ではこれは、今度泊まられる際に」
「もう泊まりません」

残念ですね、なんて言って笑わせてくれる。
優しい人。

「本当にありがとうございました、沖矢さんのおかげで元気出ました」
「何もしてないですよ」

そんなことない、と思いながらも言葉にはうまくできなくて。

「彼氏さんと、仲良くしてくださいね」
「相手がどう思ってるか次第ですよ」

でも、…もし次に会えたら、少しだけ

「ちゃんと伝えることにします」
「頑張ってください」

貴方がどうして安室透の存在を知ってるのか、そんなことは気にしないことにした。

家に帰るまでの道のり。
感じなくなった視線に安心して、自宅に戻った。

零に会えたら、私は…ちゃんと話せるのだろうか。

首筋にできた赤い痕に、虫刺されかなとぼんやり考えた。
それが何かわかるのは…


もう少し後の話。



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