【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第14章 会いたい※微裏
いつもと変わらない仕事量。
ポアロには今日も彼がいない。
「○○、あれから安室くんと連絡とってるのか?」
体調を心配しての質問だったんだろうけど…今の私には聞いてほしくないことで。
「私の連絡には一切でない人なんて知りません」
満面の笑顔で先輩に圧をかけた。
…これ以上突っ込まれると、私は泣いてしまう。
零に関しては涙もろくて情けない。
だから強がるしかないんだ。
「喧嘩もほどほどにな」
おー怖、と新聞をまた広げる先輩。
…喧嘩ならどれほど良かっただろう。仲直りができるんだから。
先輩はそれ以上透さんの話をすることはなく、私も話を振ることもなくその日もまた仕事を終えた。
事務所を出ると、誰かに見られてる気配。
…なんなんだ、昨日から。
“組織”を思い浮かべては私は何も関わっていない、と否定する。
「○○姉ちゃんどうしたの」
突然かけられた声に驚いて、手に持っていた携帯を落とした。
画面大丈夫?と拾って渡してくるのは…コナンくんだった。
「びっ、くりした…」
「何かあった?」
「あぁ、…えっと…ちょっとね」
透さんと連絡つかないとか。
人につけられてる気がするとか。
出会って2日目にして肉体関係持ってしまったとか。
そんなちょっとを思い浮かべて笑えばコナンくんは納得していないようで。
「コナンくんは、どうしたの?帰り道と逆じゃない?」
「阿笠博士のとこ行くとこ」
「そうなんだ、気をつけてね」
「○○さんも来る?」
“姉ちゃん”を言い換えて。
「私はいいよ、…関わるなって…透さんにも言われてるし」
「安室さんとあれから話してるの!?」
「ないない、綺麗サッパリ連絡つきません。…それに、私昨日から誰かに見張られてるみたいだからあまり一緒にいない方が良いと思う」
その言葉に、コナンくんは怖い顔をして…
「来て!」
腕を掴まれて走った。
どうしたの、と聞くこともできないほど…早く走って。
曲がり角を見かけては曲がって、地元なのに見たことのない道に出て……
気がつけば、私を追う気配はなくなっていた。
「どう?」
「…はは、っ…びっくりしたぁ…突然走るんだもん」
ああ、なんでだろう。
私が守ってほしいのは零なのに。
どうして私より小さなこの子に助けられてるんだろう。
自分が情けなくなった。
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