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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第13章 ミステリートレイン



小さな女の子。
その背中を追いかけるのは、想像以上に難しくて。

長い時間追いかけて、追いついたそこには…
死体と、震える女の子。

「…灰原哀、ちゃんだよね?」
「っ…私を殺したいなら、あの子達には手を出さないで!!」
「大丈夫よ、哀ちゃん。その人は関係ないわ」

工藤有希子。
遅れちゃってごめんなさい、と素敵な笑顔で。
工藤有希子さんの登場で、哀ちゃんは私への警戒を少しだけ解いたのが分かる。

「なにが、あったんですか?」
「○○さんには、新ちゃんの味方であって欲しいの」

その時は全く意味がわからなくて。
工藤有希子さんは、後は任せて、と言って部屋を出ていった。

「…貴女、本当に関係ないの」
「関係ないって…なにが?」
「ほんっと、話に聞いていた通り馬鹿な人ね」

今、私を、馬鹿といった。
小学生に馬鹿と言われて少しばかりムッとしたけれど…

「話に聞いていた、ってことは…コナンくん、かな」
「怪しむのも馬鹿になるくらい、嘘をつかないまっすぐな人だって」
「…あの子の本音、人伝に聞くと笑っちゃうね」
「そういう人よ、江戸川くんは」

哀ちゃんが少しだけ落ち着いた口調になったのがわかって…

「灰原!!」

コナンくんが突然扉を開けて入ってきて、携帯電話を押し付けて。

「お前に変装した怪盗キッドが今、黒ずくめの仲間と、会ってるから何て答えればいいか教えてやってくれ!」

何を言ってるのか。
何が起こってるのか。

「○○さんは聞いても声は絶対出さないで!!」

コナンくんが部屋を出て行って。
スピーカーにした状態で。

『初めまして…“バーボン”。これが、僕のコードネームです』

血の気が、引いていくのがわかった。

『“バーボン”、このコードネームに聞き覚えありませんか。君の両親や姉とは会った事があるんですが』
「ええ…知ってるわよ。お姉ちゃんの恋人の諸星大とライバル関係にあった組織の一員…お姉ちゃんの話だと、お互い毛嫌いしていたらしいけど」

スピーカーから聞こえる大好きな人の声と、目の前の少女が答える内容はあまりにも…理解ができなくて。

ああ、やっと理解した。
零が私に“関わるな”と言った理由。
それは、常識だけでは説明できない…目の前で起きている、この状況のことなんだ。



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