【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第11章 その真意※裏
「戻ります、珈琲ごちそうさまでした」
「本当にありがとうございました、助かりました!」
「…また梓さんが困るようなことがあればいつでも言ってください。透さんは私の反応を楽しむのやめてください」
「○○、帰りまたポアロに寄ってください。一緒に帰りましょう」
「…気が向いたら」
零はずるい。わかっていたけれど、ずるい。
先輩は夕方前まで眠っていた。
今日は早く終いだなんて先輩が言ってご自宅に戻られるから、予定より早くて。
「本当に来ましたね」
梓さんの嬉しそうな笑顔に迎えられ、ポアロの扉を開いた。
「ちょっと甘い物食べたいなって思っただけです…」
「これが世間でいうツンデレ…!」
「違います!」
「○○、お静かに」
どうぞ、とまだ頼んでもいないのに出されたショートケーキ。
「お昼のお礼です」
「…透さんの晩御飯セット付き」
「はい、喜んで」
「いいな~、私も彼氏ほしい」
梓さんが私たちをみて心からの感想のような声で。
「…透さんはあげません」
肩を揺らす二人に、そういう意味じゃなかったと気づけば顔が赤くなって。
「梓さん、そろそろ落ち着いたのでよろしいですか?」
「はい、早く帰ってイチャイチャしてください!」
「しません!!」
「しないんですか?」
もう帰る、と言えば準備するので待ってくださいと引き留められて。
梓さんは私たちをみてずっと顔がにやついていて。
「では、お先に失礼します」
腕をしっかり掴まれて連行されるかのように店を出ていった。
駐車場に向かえば、綺麗なRX-7。
修理終わったんだなぁ、と助手席にエスコートされて乗れば、そっと触れるだけのキスをされた。
「楽しかったですね」
「っ…恥ずかしくないんですかっ」
早く乗って、と目線を顔を下に向け赤い顔を隠す。…この人にずっと振り回されてばかりだ。
「先日不安にさせていたようでしたので、良い機会かなと」
「明日から帰り道が怖いです」
「大丈夫ですよ、○○なら」
「どういう意味ですか、それっ」
楽しそうな零の横顔を見てるだけで、嬉しくなる。
「今夜、泊まれるの…?」
「そんなに泊まってほしいんですか?」
質問を質問で返されて。
「○○はえっちですね」
からかうように言われれば、運転中の“透さん”の膝を思い切り叩いた。
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