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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第11章 その真意※裏


お墓参り。
目立たない服装を選んでるのは、立場上なんだろう。
伊達さんのお墓に手を合わせて。
零はそっと爪楊枝を置いて、帰るぞと手を繋いできた。
後ろから聞こえる話し声は、伊達さんの知り合いだろうか。
零は片手で携帯を触りポケットに入れた。



あの日、お墓参りを終えて零は仕事に戻った。
もう少しゆっくりしてほしい気持ちもあったけれど、私との時間をとってくれたことに感謝して、我儘は言わずに別れた。

週明けの事務所。
先日の事件は資料にまとめて終えていたので、事務所の片付けを行っていた。
毛利先輩は鼾をかきながら昼寝をしていて。

「○○さん、安室さんを助けてっ」

事務所の扉が勢いよく開き、駆け込んでくる女性はポアロで働く女性…梓さん。
零になにかがあった。
“安室さんを助けて”の言葉に私は体が考えるより先に動いていた。階段を駆け下りてポアロの扉をあけて…唖然とした。
女子高生に言い寄られて困り顔の零。一人は大泣きしていて告白をやんわり断ったけれど感情的に泣いているのかと理解すれば背を向けた。

「○○!」
「○○さん~っ」

後ろから呼び止める声と振り返った先に半泣きの梓さん。

「安室さんの彼女は○○さんですっ!」

梓さんに店内に引き戻されて…
売られた。
瞬時にそう思った。


「すみませんでした、忙しいところ」
「皮肉ですか」
「ごめんなさい、○○さん~っ…安室さんが告白されて断ったら私が言い寄ってるせいだとJKたちが騒いで怖くて…!」

カウンターに座ってどっと疲れた私に零はご機嫌に笑う。

「だってあのとき○○、本気で言いましたよね。“私のもの”って」
「うるさい、本気なわけないじゃない」
「○○さん可愛かったです」

零が抱き着かれてキスされそうになっていて。
絶対自分で回避できるくせに、私の出方を楽しみに待つ零に『この人は私のものだから』と言って人前で抱き着いたのは私だ。
だから、尚更、気にくわない。
梓さんもにこにこと私を見てるし…

「透さんは、誰にでもにこにこするの本当にやめたほうがいいと思う」
「接客業ですからね」

深いため息を吐く。
じっと睨めばご機嫌な零がそこにいて。



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