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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第11章 その真意※裏


学校時代のあのメンツを除けば人前で、零を…正しくは透さんを、本人を前にして人に彼氏だと言ったのは初めてかもしれない。
そんな機会なかったし…
そんな風にして良いって思ってなかったから。

「零、お風呂沸いたから入って良いよ」

零のご飯、と要求したにも関わらず、零に今日は作ってほしい気分です、なんて言われて断れるものは何も持っていなかった。

「一緒に入らないんですか」
「誰がいつ入ろうって言いましたか」
「僕が今言いました」

子供のような言い合い。
結局私が折れて一緒にお風呂に入る始末。
…やけに甘い日だった。
甘過ぎて溶けて無くなってしまうようなそんな甘さ。

「どうして今日透さんなの?」

決して広くはない浴槽に、零に抱えられるようにお湯に浸かり。

「これが一番甘やかせるので」
「……でも私は、零が好きだけどなぁ」

ぶくぶく、と水の中で息を吐く。

「知ってる」
「…今日、シないの?」
「どうして」
「………零がこんなにくっついてるのに、今日やらしいこと何もしないから」

ふ、と小さな息。

「シたいのか?」
「…そういうわけじゃ、ないけど………こうして零とくっついていられるのは、嬉しい」

幸せを感じる。
零の肌が、声が、体温が近い。
振り返るようにキスをして舌先を触れあわせて…クスクス笑う。

「零はさ、…すごいね」
「ん?」
「零にいつも振り回されてる…そういう気持ちになるときも、ならないときも」
「そんなことない…○○が誘ってるときの方が多い」

零の腕が腹部に当たってくすぐったい。
そろそろ上がる、と言えば零も立ち上がって浴室から出る。

「休日でもないのに、久しぶりにのんびりしてる…」
「こないだ何徹したの?」
「こないだ…?…あぁ、夜中に○○の家に来たとき?」
「うん」
「…ナイショです」

○○はしっかり寝てくださいね、とからかうように笑われてベッドに運ばれた。
そっと寝かされて、何度も何度もキスをした。
そんな日があっても良い、そう思える幸せな時間。
幸せな夜。

初めて、透さんの彼女を実感した日だった。


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