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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第82章 甘い生活


髪を濡らさないようにまとめて、汗を流す。
零と繋がったいろんなものが流れていくのが少しだけ寂しく感じてしまう。
膣内を満たす精液を指を入れて掻き出す。
なにも感じないようにしてるのに、僅かに漏れる声が恥ずかしい。
お風呂から上がっていつの間に用意されてたのか、着替えが畳んで置いてある。

「零、服ありがとう」
「あぁ、スッキリしたか?」
「うん」

腕を引かれるように抱きしめられて、零の腕の中。
見上げれば唇が重なって、それだけで満たされる。

「全部持ってくか?」
「服とか、必要なもの…あれば」

必要なもの、と。
それは、私の思い出。
捨てきれなかったあの頃の大事なものたち。

「なんだよこれ」
「…覚えてない?」
「覚えてるけど」

ほぼヒロからじゃん、と押入れの奥から取り出した宝物箱。
昔あった写真は捨てることも保管することも嫌で、実家に送りつけた。

「これだけは、手放したくなかった」

写真は見返すと苦しかったのに、プレゼントだと渡されたいろんなものが私の気持ちを温かくした。
彼らは私の、唯一無二の友達だった。

「…みんなに、もう一度会いたかった」

もっと早く、零とこの関係に戻りたかった。

「もっと、もっと…っ…」
「……お前は本当、あいつらが好きだな」

でも、と零が目を合わせて。

「過去に閉じこもろうとするな。あいつらはいない。…そして何より、お前にはちゃんと、新しい友人がいるだろ?」

零の言葉は、本当にその通りで。

「お前が新しい友人と楽しくしてたって、あいつらとの思い出は消えない。…それに、その方が喜ぶだろうし」

私は、人と距離を置くことで、あの頃に閉じこもろうとしていたのかもしれない。
新しい友人を作らないことで、みんなとの時間に浸れるように。

「でも、一枚も写真無いのか?」
「…零と別れた時に、当時の写真は全部実家に送った」

その頃は、見たくなかったからだったけど。
結果的にこうして部屋になかったことで零の立場を守れたとしたらそれでよかった。

「……セーフハウス、だけだと俺が不安だから。今度、家に連れてくよ」
「ん?」
「安室じゃなくて、降谷の家に」
「……………家、何個あるの?」
「浮気を疑うような目で見るな」

そんな目で見ていた自覚はなかったから、思わず笑ってしまった。



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