【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第80章 怖さ※裏
「ごめん、零…違う…」
「…悪い」
分かってる、と返されるけど。
悪いのは私で少しだけ拗ねたかっただけで。
零が何を考えているのか分からなかったから。
違う…ちゃんと、考えてなかった。
「抱くのが…怖いんだ」
零が、言ってくれてやっと理解した。
そんな私が私自身、情けなくて申し訳なくて。
「…壊れているお前を未だにチラつく。分かってる、お前はここにいて俺に笑ってくれてる…一度は抱いた」
大丈夫なのは理解しているんだ、と零が言う。
「…零、…お話しよ?私、零がいてくれたらそれでいいっていうのは…嘘じゃないよ。本当にシたくないなら、理由がそういう理由なら…我慢する。ごめん…なにも、分かってなかった」
抱くのが怖い。
「…零は、私を抱きたいと思ってくれてる?」
「当たり前だろ」
小さな声に大きく頷いた。
「帰ろ…?」
話を聞いてくれてありがとうと言って体を離した。
零の傷つく顔はとても苦手。
「運転代わる?」
「いや、大丈夫」
…どうしたらいいんだろう。
零の家に着いて家に入って…手を繋いで隣に座る。
触れるだけのキスを何度もして首に腕を回して抱きついた。
「あのね、零…もう大丈夫だよ」
「分かってる」
「…零に触れてほしいよ」
「ああ」
「零の怖いっていう気持ち…どうしたら、なくなる?」
「……もう少しだけ、時間が欲しい」
先日にも同じこと言われた。
それは、こういう意味だったんだって思って…
わかった、と言いながら顔中にキスをした。
くすぐったいなと笑う零が愛おしくて…
「零…全部私がするから、…抱かれてくれない?」
我慢、と言っているのに。
私が思いつく方法はそんなものくらいしかなくて。
「馬鹿なのか?」
思わず真顔で問いかける零に私が笑ってしまう。
「ショック療法っていうのもありますし」
「○○に俺は抱けないよ」
「やってみないと分からない」
「しなくていい」
落ち着け、と笑って頭を撫でられて…
「今度ちゃんと抱いてやるから」
…違う。
そうじゃなくて
「途中でやめたかったらやめていいから…試してみませんか」
だって、零が怖いのは…私が壊れることだから。
「………そこまでして、ヤりたいか?」
「当たり前だけど、肉体関係がなくても零が好きだよ」
余計な勘違いをしてくれそうだったから。
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