【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第80章 怖さ※裏
「なに」
運転する零を見つめていた。
「……降谷さんはすごいなぁって」
「これくらい当然だろ」
休んでいて良いから、と頭を撫でられる。
…それをされると最近凄く目が重たくなるのは、疲れてるからなんだろうけど。
「悪いな…自由な時間とか、与えられなくて。引っ越しも進められてないしな」
「零は?…私とずっと一緒にいるのは、しんどくない?」
「幸せだよ」
「じゃあ私も、幸せだよ」
零の足手纏いになってるのはわかってるから…私も、何か…役に立ちたい。
信号待ちで車が停まって唇を指でなぞられた。
口を薄く開けば、誘われるように指が口内へと。
「んっ、…ふ」
なにをしたいのか、分からないけれど。
口内の熱を確かめるように指が…口内を弄る。
青信号になって指が抜かれて…アクセルを踏み込み零が自身の指を舐める。あまりにもそれが扇情的で、子宮がキュッと疼く。
「…零?」
「悪い」
何で謝るのだろう。
…零にならっていつも言っている。
それなのに。
「まだ、抱きたくない…?」
「…○○も眠いだろ?」
「そうだけど」
「いつだってできるわけだし…焦るな」
焦ってる、のだろうか?
いや、まぁ…なんと言うか…抱かれたいという気持ちはただの欲望であって焦りじゃない。
薬のことなら一度だけ抱き合ったんだから…もう大丈夫だし。
「いつだって、って言うなら…欲求不満な彼女に付き合ってくれてもいいと思います」
「笑わせるな」
笑ってないじゃない。
少しだけ怒ってる。
…なんで怒るの。
「零がシてくれないならもういい」
拗ねた、つもりだった。
馬鹿なことを言うなって…
「他の男のところに行くからか?」
……ねぇ零。
なんで、そんなに傷ついてるの。
なんで
「セックスがないと、俺から離れるか?」
なんで
「零」
だめ。
「零、ごめん。違う…っ、もういいって言うのは」
余裕がないのは、私じゃなかった。
「車止めて、零っ」
抱きしめたい。
抱き着きたい。
傷つけるつもりはなかった。
私の声に路肩に寄せて一度停まる車。
シートベルトを外して思い切り抱きしめた。
苦しいかもしれない。
でも
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