• テキストサイズ

【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第80章 怖さ※裏


「美味い」

しゃっ、と思わずガッツポーズ。
いや、不味いとは思ってないし正直自分でも美味しいと思っていたわけだけど。
零に言われるのは特別嬉しい。
くすっ、も小さく笑われたのが分かって照れ臭くなる。

「零、着替える?」
「いや、このままで良い」
「じゃあすぐ用意するね」

味噌汁とご飯を零の前に運んで、向き合うように座る。

「…食べ終わったら、話がある」
「うん」
「一緒にいられる方法、考えよう」

お互いが納得いく形で、と。
零が言ってくれたから。

「泣きそうな顔するなよ」
「だって…っ、嬉しくて」
「…せっかく美味しい料理作ってくれたんだから」
「うん…っ」
「どんな形でも、お前を手放す気だけは…もう、ないから」

零が私に執着してくれることが嬉しくて。
嬉しくて。

「だから泣くなって」
「まだ泣いてない…っ」
「泣いてる」

零と一緒にいる世界が好き。
泣くなよ、と零が困った顔で体を乗り上げるように頬を撫でてキスをする。

「…愛してる」
「泣かすなぁ…っ」

私が泣くのは、零が悪いんだって無茶苦茶なことを言う私に、ごめんなって困ったような優しい表情で謝られた。



食事を終えて、当然のように二人でお風呂に入った。
何度も甘いキスをしながら、向き合うようにベッドで横になる、
零の腕枕は心地よくて…安心する。

「……お前の案に乗るよ」
「え?」
「バーボンの側近として。…ただし、俺以外からの接触は無しだ」
「………ありがと」
「ベルモットから連絡があっても、他のやつからでも…俺がいない時に会うな」
「うん…」
「それから」
「ん?」
「一緒に暮らす話、すぐにでも…進めたい」
「わかった」
「あと…」
「まだあるの?」
「これまで以上に、俺から離れないで」

目を合わせながらゆっくり話す。
心地よい零の声。

「…透さんのそばにも、零のそばにも…ずっといる」
「引っ越しだけど…なんとか一週間以内でできるか?」
「なんとかする」
「力強くて安心する」

だって

「…こんな時だけどね、零と一緒に暮らせるのは嬉しいよ」
「降谷として、お前を迎え入れたかった」

セーフハウスじゃない場所で、と唇が重なる。
私は…どこでも良い。
零がいて、みんながいて…

「降谷○○になるのは…まだまだ先だね」

まだ、だと一つ減らされて。
小さく笑った。


/ 687ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp