【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第78章 中和剤
少しずつ思い出した。
二週間、零と二人きりで同棲の真似事みたいなことをして。
ジンという存在にあったこと。
ベルモットさんに、助けられたこと。
倉庫内で触られることもなくただただ薬を打たれたこと。
私は、強すぎるその与えられない快楽に
意識を手放したくてでも、手離せなくて壊れそうで壊してほしくて
乱暴に乱暴に乱暴にぐちゃぐちゃにシてほしくて
悪夢。
がバッと勢いよく体を起こした。
「○○」
私を呼ぶ甘い声。
甘い?
甘くない。
「大丈夫か」
大丈夫じゃない。
頭が熱い。
熱い。
アツイ。
犯されたい。
オカサレタイ。
「○○!!」
頬を叩かれて。
目が、あった。
「○○」
「……零」
「悪かった…、まだ早かったな」
「………ああ、そっか…私こそごめん」
なにがきっかけだったのか分からないけど。
キスしたくてもっとほしくて。
そのまま零を押し倒した…案の定、この人のほうが力も強いから何もなかったけれど。
「効果を強めて中和剤を作り直してる」
「…抱いてくれて依存させていいよ、もう…っ…零相手なら今も依存してるし…っ…あんな感覚…次キても我慢できる自信、ない」
「…本気で言ってるのか?」
「ッ…零が!…零が、…私を…っ…」
「……ああ、お前が快楽に弱いのは俺がそうしたから」
零の好みに。
「…本当に抱かれたいなら、抱くけど…二度と、俺と心から繋がれないけどいいのか?」
意地悪。酷いよ。
「○○」
「…っ…我慢…する」
「ああ、…悪い。○○ばかり我慢させて」
…でも
「零は、そばにいないでほしい」
貴方は私の媚薬。
「お仕事して、家に帰って」
「…それは」
「ちゃんと寝て?」
頬にキスをした。
…唇は、それ以上を求めたくなるから。
「拘束、してもらう。零がそのために私のそばにいるから」
「違う」
「違くない。…一緒にいたいっていうことなら、私は零とは今一緒にいられない」
ごめん、と笑って見つめた。
「……顔を見に」
「たまになら来てもいいよ、…来てほしい、し」
わかった、と切なく笑われて。
抱きしめて額にキスをする。
「担当医に話してくる…そして」
「うん、そのまま帰って」
私たちは今、一緒にいるべきじゃない。
私の媚薬。
私の好きな人。
私の世界で一番大事な人。
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