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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第77章 後悔(降谷視点)


○○が目覚めたその日は一度家に帰って、仮眠を済ませて病院に戻った。少しだけ、気を抜くことができた。
翌日になって話すのも飽きたのか、病室ですることがないとつまらなそうに俺を見てくる○○の視線には、笑ってしまいそうで。

「…なに」
「なにじゃない、隠してる」
「別に。○○が早く退院して復帰してくれればいい」
「なにを隠してるのか教えて」
「いいだろ、○○が退院したら教えるよ」
「今日は何日」
「知らない」
「携帯貸して」
「忘れた」
「タブレット」
「忘れた」

無茶な返しだと思っているが、○○との返しが少しだけ楽しくなった。
そんなわけあるか!と最後は声をあげて枕を投げつけてくる枕を受け取って、もう体力面は大丈夫だろうと安心して。

「俺と二人きりになるのがそんなに不満?」

○○が苦手な質問でかわした。

「零、キスもしないしなんか変」
「病院でキスしたいと思うほどお前は不足してない。どこででも発情する猿じゃないんだから」
「でもゴリラじゃん」
「は?」

ゴリラってなんだ。
口喧嘩したときに昔○○が言ったのが広まって一部ではそう呼ばれたことを思い出したら…怒りより、安堵感がこみ上げた。

「そろそろ帰るよ」
「……零、やだ…」
「でも」
「…やだ、今の零……また、離れてく気がする」

また何も言っていないのに。
そういうところだけは、勘がいい。

「……退院したら、ちゃんと説明するから」
「退院したらいなくなっているってことも、ないよね」
「どれだけ信用ないんだよ」
「だって」
「家まで知ってるんだから、今更どこにも逃げられないだろ?」
「…ほんと?」
「まだ安室としてやることがあるからな」
「うん」
「明日また来る」

不安そうな○○の表情は、一人にしていいか悩むものだったけど。
それ以外、問題があるように見えなかったから。
部屋の扉を閉めて、さすがに眠たいなと思った矢先。




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