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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第77章 後悔(降谷視点)


状態は決して良いとは言えなかった。
ただ、薬物自体には依存性が高くあるものではないことを検査して分かったことはとにかく安心した。
体に打たれてた薬が完全に抜け切れるまでおよそ5日ほどが必要。
その間に目が覚めるかもしれないし、覚めないかもしれない。
自白剤で使っている成分も含まれていたことから、本来はそのために使うのだろうけど…どんな拷問も、壊してしまったら意味がない。壊れたいと思っても壊れられないことが重要で。
壊れてしまった○○はいつになったら俺をその目に映してくれるのだろうか。

「○○…好きだよ」

触れるだけの唇に。
ビクッと体が反応する体。
何かがおかしい、その違和感を医者と話した。
脳裏に過ぎるのは一抹の不安。
薬自体に依存性はなかったとしても、薬を摂取している状態で得た快楽への依存。
抱かなくて正解だったなんて、少しだけ皮肉で。
…このまま一生キスも抱き合うこともできなくてもいい。
また、いつものように笑って。
好きだと甘えてくる○○の姿が見られるなら。
もう、なんだって…



ポアロで働いて、風見から公安の様子を確認して、病院に行く。
寝泊まりは病院で過ごしながらいつ目覚めるかわからない状態が続く。

「ポアロ、休んだらお前怒るだろ?」

梓さんに迷惑かけちゃだめ!と子供を叱るように可愛らしい表情で。

「なぁ…起きて。仕事が手につかなくなる。寝れないんだよ、お前がいないと」

以前からわかっていた。部屋に組織の人間がたまに入っていることに。
調べられて余計なものはない。
指輪だって、アクセサリーと同じように乱雑にいれている。
…本当は、なによりも大事にしたいのだけど。
そっと○○の右薬指にペアの指輪を嵌めた。

「…○○、起きてくれよ」

お前がいないと。
だめになりそうで。
その手を強く強く握った。


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