【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第77章 後悔(降谷視点)
海辺の倉庫。
ベルモットの車を見つけて、ブレーキをかけ車を停めた。
「早かったわね」
「あいつは」
「この中よ」
この、と言って倉庫を指差される。
「僕の玩具(モノ)には手を出さないようお伝えしたと記憶してるんですが」
江戸川コナンと毛利蘭。
この二人には手を出さないという僕と彼女の協力関係の条件に○○のことを加えたのはそんなに古い記憶ではない。
「ここでのんびり話をしていて良いのかしら?彼女の拷問、酷くなる一方だと思うけど」
「……そうですね」
僕の問いに女は答えなかった。
「こんばんは」
倉庫を開けて、ベルモットの後に続き入る。
…ベルモットが声をかけた中年の男の前。倉庫の中心のパイプ椅子に鑑賞物の如く縛られ座っているのは、○○。
駆け付けたい気持ちを抑えた。
「あれ、ベル。どうしたんだい?」
「悪いわね、邪魔して」
「…キミは?」
その男は、まるで玩具に飽きた子供のような目をしていた。
ベルモットに向けるのは…新しい玩具を持ってきてくれたのか?とでも言うような目。
「はじめまして、バーボンです」
「飼い主さんにバレたから連れてきたわ」
「あまり人に僕の玩具(モノ)触られるのが好きではないので、様子を見に」
バーボンを演じなければならない。
バーボンでいなければならない。繰り返し言い聞かせ、パイプ椅子に座る○○を見下ろした。
「拷問、と聞いてましたが」
「モルモットだよ。新しい薬を作っていて試せるものが欲しいとジンに連絡したときに連れて来られたんだ」
虚ろな目。
口から垂れている唾液と、泡。
意識を失っているのかいないのか。
縛られている手や足にも力が入っていなくて、だらんと床に向かって落ちている。
「随分と壊れているようですが?」
「ああ、結構頑張ってたんだけどね…さっき追加で違う薬打ってからその調子。壊れちゃったみたい」
肉体的には手を出されていないのだろう。
服が乱れているのは、○○の体液のせい。
涙と唾液と汗を…
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