【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第77章 後悔(降谷視点)
○○といるとどこか緩む。
そのツケが返ってきたのだと、そう思った。
完全にミスった。
二週間。
赤井と繋がりがあることもまだ解決していない。
俺の部屋に盗聴器が仕掛けられていたことから、恐らく○○の部屋にも仕掛けられている。
これ以上関わってほしくなくて、やりすぎだと分かっていながら家から出れないように手枷と足枷を用意した。目覚めた○○は、仕方ないなという風に受け入れるからあまりにも心配になりながら…俺が好きだからと笑う姿に嬉しさを覚え、あいつの自宅療養期間中、そばに置くことに成功した。
これからは仕事を投げて縛れば、家に帰る時間も少なくなり万が一にも他の男に腑抜ける時間もないはずだ、なんて仕事にかこつけて束縛する己に笑っていたんだ。
組織から突然はいった調査依頼に、違和感があると思いながら高速道路へと車を向かわせた。
往復の時間を考えても泊りにはならない。
行ってきますといって見送った○○の笑顔。
その帰り道。○○に連絡がつかないその違和感。
今日は○○が楽しみにしていることを知っていたから、だからこそ‥でない電話に募るのは不安。
風見に自宅にむかわせると、そこには誰もいなかった。
施錠をするはずの鍵は開けっ放しで。
何かがあった、それを感じるのは当然で。
安室の電話が鳴る。
『貴方のお気に入り、ジンが連れてったわ』
「何をされたんですか、っ…あいつをどこに」
『壊れる前に迎えに行きなさい』
一方的に切られた電話の後、送られてくる地図データ。
ふざけるな。
その気持ちと、まだ生きているのだというほんの僅かな安堵感。
愛車に乗り込み、制限速度なんて気にせず車を走らせる。
何をされてるのか。
俺のせい。
それだけは確かで。
付き合ってはいけなかった。
そんなこと最初から分かっていた。
それでも、好きで。あの頃からずっと好きで。
別れても他の女を抱いても、忘れることはなかった。
思い出すのはいろんな○○の笑顔。
泣き顔。
微笑み。
悲しむ顔。
怒った時の…
「○○…っ…」
頼むから。
笑顔をもう一度見せて。
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