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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第75章 水槽



よく嘘がペラペラとでてくるなと思った。
と言いながらも、辞めた後に付き合いがないのは嘘じゃない。
大丈夫。
私一人が捕まった程度で、降谷零という存在が芋づる式で出るとは思ってない。
そもそも、警察学校時代以降の付き合いはないのだ。
…最近までは。
カチャ、と銃口が眉間に当てられた。
冷たい冷たい鉄。

「考え事とは余裕だな」
「ええ、まぁ。バーボンと最期にできなかったので」

寝ている状態でよかったと思う。
立った状態でいたら多分足は震えていた。

「淫乱な雌猫か」

銃口はそのまま首筋に下りていき、シャツのボタンに引っかかる。
…ああ、そっか。
零が脱がせやすいようにしたんだ…
ブチッ、と音をたてシャツのボタンが一つ外れた。
銃に引っかけてはボタンが千切れて外れていく。
買ったばかりの下着が姿を現して、…零に見せられなかったな、と思った。
こんな時にも零のことばかり。
もっともっと零のそばにいたい。
だから…

「貴方がシてくれるんですか?私の最期の相手」

この体すべてを使ってでも、生きないといけない。

「そして気にいったら…貴方が次の私のご主人様になんて、いかがです?」

生きるためになら…零のとこに帰れるなら。
なんだって、する。
してみせる。

「生憎間に合っている」

胸元に当てられた銃口。
引き金を引くその指に、感じたのは絶望。
零、ごめん。
死を連想するときに一瞬で思い浮かぶのはいつだって…大好きな4人の姿。

「ジンッ!」

目を瞑った時に…ベルモットさんの呼び声と同時に、目の前の男の携帯が鳴る。
ドッと疲れた…
ベルモットさんが私に近づいて、顔色を確認するように頬に触れる。

「…彼に会いたいかしら?」
「そりゃ…ご主人様には、いつだって」

可愛い下着ね、とにっこり笑われて。

…ベルモットさんには私が零…バーボンに恋愛感情を抱いていることがバレているのは自覚している。まぁ、それもそうだろうけど。

「ベルモット、そいつを例の場所に連れて行け。オスが足りないようだからな。死ぬ前にバーボンのお気に入りへ俺からのプレゼントだ」





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