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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第73章 同じ気持ち※裏


「ごめんなさい」
『……病院から言われた、二週間安静を条件だと』
「聞かれちゃったか」
『とにかく、今どこにいる?…すぐに迎えに行く』
「零の家」
『…え?』
「ごめんね、どうしても会いたくて」

しばらくの沈黙。
…流石に呆れたかと思いながら電話口では相手の顔が見れないことが不安になる。

「ごめんね」
『………そのまま、家にいろ。必要なものがあれば全部取ってくるから』
「必要なものは、零だよ」
『体は本当に大丈夫なんだよな?』
「いくつかヒビが入ってるけど、何せ誰かさんのトレーニングと料理のおかげで健康なもので」
『それは良かった』

少しの気まずさ。

『…早めに帰るから、待ってて』

はい、と言えば電話が切られて。
なんだか、緊張した。
…赤井さんと何を話したのか。
何を言われたのか。
今更ながら…気になってしまう。
FBIに言われた、と言うのは…恐らく赤井さんが私に言ったその時は俺を好きになれ、と言葉の通り。
零の恋人であることをやめるということ。
それはできないのだけど。
零を不安にさせるようなことをしている立場でなんだけど…言わないで欲しかった。
私のせいだろうか。
いや、私のせいなんだろうけど。
零が私のことで振り回されるのが嬉しい反面……降谷さんは、そうであってはいけないという…私の理想図を押し付けたくなる。
いや、…事実、いつだって公安を優先してるしそれで良いしそれが良いんだけど…
ベッドに寝転びながら、零の香りを探して枕を抱きしめる。
ヒビが入ってると言いながらも、…零を失うかもしれないと感じたあの時の痛みに比べたら…そんなに痛くなくて。
赤井さんに連絡を入れるべきだろうかと思うけど、…きっと彼なら私がどうなったか知ってるだろう。
…公安のほうも先輩のほうも、…仕事に響くなぁ、とぼんやり考えて…目を瞑った。
何故だか、何度眠ってもいくらでも眠れる。
それが心労と体の所為だとは、正直思っていなかったけど。

眠ったほうが、零が早く帰ってくる。
…そんなことを思いながら、睡魔に身を任せた。



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