【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第73章 同じ気持ち※裏
くちゅ、と唇を唇で挟まれて…舌先が触れ合う。
唇が重なって、深く求める私に逃げるような零の口づけ。
…我慢できなくなるだろ、と囁かれて小さく笑った。
「今何時…?」
「…お前、あれから丸一日寝てたからな」
渋々唇を離して、零に訊ねると思いがけない答え。
「そんなに?」
「おかげさまで俺は一睡もしていない」
「おっと」
いや、まぁそうなりますよね。
「本来であればこのまま犯したいとこだけど生憎怪我人だから我慢してやる」
「……ありがとうございます」
だからと首筋にキスをされて。
「少しだけ寝かせろ」
「…はい」
何徹目だよ、なんて考えて髪を撫でる。
寝付きの良い零は、すぐに寝息を立てて…無防備な寝顔を向けてくる。
丸一日寝ていた、ということは…また公安の皆さんに迷惑をかけたということで。
抱きしめてくる零の力が少しだけ強くなって、嬉しくなる。
嬉しくてそっと抱きしめ返したら…ごそごそ、と服の中に手を入れて肌を直接触られて。
…求められてることが、嬉しかった。
いつの間に寝落ちしたのか。
目覚めたら零はいなかった。
昼間に検査をして特に問題ないと言われれば、即日退院したいと言った私。
全治二週間。
安静を前提として、だと何度も念押しをされたけど。
もともと来ていた服は破けたりしてボロボロだったので、と病院のコンビニで買ったシャツを着てその日のうちに退院した。
何もせずにいられなかった。
それに……
零と、話し足りなかった。
携帯の電池は切れてるから、とりあえず自宅に帰ってからと思いながら自然と向かったのは私の家ではなく零の家で。
誰もいない部屋に入って、ベッドに寝転んだ。
…どのくらい帰ってないんだろう。
シーツから、零の匂いより…洗剤の匂いがする。
携帯の充電器を勝手に拝借し、零へ連絡を入れようとすれば…電源がついて数秒後。
すぐに着信を知らせる音。
“降谷零”
だからいま知らせようとしたんだっていう言い訳を心の中で。
「はい、○苗字○です」
『お前今どこにいる!!』
怒声。
『病院から連絡があったぞ!?』
「あー、はい、ごめんなさい。電源切れてて、連絡できなくて」
『お前なっ!公衆電話もあるだろ!』
「…れーい」
少し甘えた声を出せば、零が少し黙る。
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