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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第72章 純黒の悪夢(後)


迅速に進まる起爆装置の解除作業。
後は雷管に繋がるコードが残って…

「よし、これを切れば終わり」

零が持っていたペンチでコードを挟んで切った。

ピーーーッ

起爆装置のランプが点灯したのが見えて…爆発する、間に合わなかった。
そう判断して零の頭を抱えて押し倒すように覆い被さった。
…しばらく経っても何も起こらないそれに、ゆっくり体を起こして振り返る。

「…間に合った?」
「ギリギリだったな…」

やった、と零が私の背中に手を回して抱きしめてくる。

「零…っ?」
「…やっと、触れられた」

…お昼、会ったのに。
貴方が変なことを言った数時間前は…もう、何日も前のようにすら感じるけど。
怖かった。
零を失うと思って。
無我夢中で…零を失いたくなくて、赤井さんに助けを求めた。

「…零…っ、零…」

胸元に抱きしめる零の頭を強く強く…

「苦しいぞ、○○」
「ご、ごめ…」
「……なぁ、赤井とお前の関係、ちゃんと説明してくれるよな?」

体を離そうとする私を零が離してくれなくて。

「……零、……公安に、合流しないとだよね」

返事はできなかった。
赤井さんとのことを話す決意はできない。
体を離そうとすれば強く強く抱きしめて零が離してくれない。

「誤魔化すな」
「…っ…」

全てはあの言葉だった。
『もしもの時は、降谷零のことは忘れろ。その時は、お前の人生から俺を消せ』
まだ泣いてはいけないのに。
まだ、…この人に言いたいことはたくさんあるのに。

「…ベッドの中でなら、…話せると思う」
「…え?」
「だからっ…貴方が足りないから、…だからっ…その時なら、……多少素直には、なれると思う」
「はぁ……なんだよ、もう…」

約束だからな、と念押しされて腕が緩まる。

「…○○、爆薬集められるか」
「残してるわけにはいかないもんね」

車軸の先を見て…張り巡らされたコード。
車軸に登り、零と少しだけ別行動。
コードの先についている爆薬を、二手に分かれて回収していたら…ガガガ…と、耳をつんざくような銃声がした。
振り仰ぐとLEDビジョンの壁が撃ち抜かれ、爆煙が広がってる。

「○○!早く此方に!!」
「すぐ向かう!」

零に返事をして…車軸を滑り降りた。



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