• テキストサイズ

【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第72章 純黒の悪夢(後)


消火栓ボックスの前に戻って、目の前に座る。
ナイフを扉の取っ手に差し込んで…パキン、と音がして取っ手がまるごと外れた。
それをキャッチしようとしたら…後ろから伸びる手。

「……よくできたな」
「零…」
「どう?安室さん」

コナンくんの質問先が私ではなく、零であるのは、彼が信用してるのは…私ではないということ。

「これでもう大丈夫だ。安易に開かなかったのは正しい選択だったよ」
「コナンくんが、中を確認してくれたから」

言いたいことがある、というような目で私を見下ろすその目。
その目から避けるように私は消火栓ボックスに意識を戻して、折りたたまれたホースの中央を両手で開く。
その奥に、起爆装置らしい小さなボックスがあった。
後ろからダン、と音がして思わず振り返る。

「赤井さん…」
「どうだった?赤井さん」

車軸に乗ってコードをチェックしてから来た赤井さんに、コナンくんが確認する。

「やはりC-4だ。非常にうまく配置されている。全てが同時に爆発したら、車軸が荷重に耐えきれず、連鎖を崩壊するだろう」

C-4。
プラスチック爆弾。

「できるか」
「…はい、やれます。珍しくないタイプですし……解除方法は知識の中にあります」

赤井さんの言葉に、頷いた私。
悩んでる暇はないともう一度消火栓ボックスに意識を戻し、爆発物に触れないようホースを外していく。

「爆弾に詳しいんだね、○○さん…」

驚いた声のコナンくん。

「僕らは警察学校時代の友人に、いろいろ教えられたんだよ。後に爆発物処理班のエースとなった男に…まぁ、結局そいつは観覧車の爆弾物解体中に爆死したんだけどね」

私の代わりに答える零の声。

「…観覧車の爆弾解体で」

声を曇らせるコナンくん。
…その声に大丈夫だと言ったのは零だった。

「心配ないよ。アイツらの技術は完璧だった。それを僕と○○が証明してみせる」

手を伸ばした先に赤井さんのライフルバッグから取り出した工具箱。
奥にある起爆装置に、手を伸ばそうとした時に、零が私の手を止めた。

「○○、代われ」
「やれます」
「お前自分がどれだけブランクあるのか忘れたのか」
「それでも、誰もやれない時に私は…っ」
「僕がいる」

誰もやれないんじゃない、と私の隣にどかっと座って。
起爆装置へと手を伸ばした。



/ 687ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp