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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第71章 純黒の悪夢(前)


赤井さんは私に話してくれた状況を、電話で報告をしていた。電話の向こうからわずかに聞こえる声。
上司だろうか?
これから東都水族館に向かいます、と…最後に告げて電話を切った。

「ボウヤに助けられたな」
「…ボウヤって、まさか…コナンくん?」

相変わらずコナンくんも…関わっていた。
コナンくんは、キュラソーの携帯から復元したノックリストを報告するメールが途中だと気づき、バーボンとキールは無関係だと再度組織の上層部の人間へメールを送っていたのだ。
…また助けられた。
赤井さんと、コナンくんに。

…私は自身の携帯を開いて、風見さんから何件か入っている連絡に気づく。
やばい。
真っ先に思い浮かんだ言葉。
赤井さんを見れば、どこか目的を持って車を走らせているようで…電話を切る前に東都水族館に向かうと話していたことを思い出す。

「…あの、目的地…どうして東都水族館なんです?」
「組織の奴らがそこに集まるからさ」

なぜ、集まるのだ。

「それより君は自分の仲間に連絡を入れないのか」
「あー……入れても、いいですか」
「好きにしてくれ」

風見さんに連絡を入れた。

『○苗字○さん!?どこで何をやっている!』

…怒ってる。
めっちゃ怒ってる。

「…病院でのこと、取り乱してすみません。銃を持ち出したまま、連絡付かなかったことも……あの、あれから降谷さんは」
『一度は組織に捕縛されましたが、無事逃げ出して先ほど連絡が入りました』
「そうですか…良かった」
『これから東都水族館に向かっているところです。降谷さんの指示で、観覧車に乗るようにと』
「観覧車…?」
『降谷さんもそこで合流する予定です、貴女もそこへ来てください』
「…了解です」

零が、無事あの場から抜け出した。
電話を切った後、赤井さんを見上げたら良かったなと返されて…またお礼を告げた。

「…ねぇ、赤井さん。聞いてもいいですか」
「あぁ、答えられることだったらな」
「どうして東都水族館に?」
「………君は彼のこと以外、見えてなかったのか」

そんなことは、ない。
…いや、ある。

「君には期待していたんだがな」

赤井さんの言葉に、…深呼吸をした。
考える。
考えろ。

零はもう大丈夫だ。
取り乱す必要もない。

今は、この人のこの言葉が…この人が、私を見限らないために。



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