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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第70章 侵入者


零が額にキスをして、気をつけて帰れよと…その場から去っていく。

「…零が余裕なくてよかった…」

余裕あったら、絶対バレてる。
…服の下にたくさんつけられた痕。整えながら、帰りに窓の外を見た。
今日もあの人はいるんだろうか。
零の余裕のない表情を思い出して胸が締め付けられる。
いつからこんな風になったのか。
それでも、沖矢さんは…赤井さんは、少しの意地悪を言いながらいつだって助けてくれた。
今回だってそうだ。
私が気づいていなかった。
なにより、その可能性すら思い浮かべてなかった。
最近家に帰るのも少なかったし、…零も家に来ていないから、何もなくてよかった。
…それに、…降谷零に繋がる何か、はこの携帯の連絡先以外何もない。

「零…まだ、話し足りないよ」

会いたい。すごく、会いたい。
帰り道、まっすぐ帰りながらも…不安が募る。
私はこのまま、零と付き合っていていいのか。
零の恋人でいていいのか。
…バーボンの、弱味であって良いのか。
零が恨む相手に抱かれるような私が、…
家に帰ってベッドに倒れる。
盗聴器を調べるように言われてるけど……寝るだけだからと…意識を手放した。


朝から着信。
…珍しく、風見さんからだった。

「はい、○苗字○です」
『風見です、朝からすみません』
「…いえ、起きてたので大丈夫です」
『招集がかかりました、…例の件で』
「…私も、ですか?」
『?当然ですよ、貴方も公安ですから』
「っ…急いで行きます」

風見さんの、私が何を言ってるんだというような声に安心した。
スーツに着替えて、化粧をして、作り置きのものでお弁当を4つ用意してマンションを降りたら

「零…っ!」

白のRX-7。

「…おはよ」

悪い会いたかったと…昨夜の今日。
中途半端に会ってしまったから、尚更会いたくなった。

「○○に会わないと集中できそうになかったから」
「……なにそれ」

すごく嬉しかった。
助手席に乗って、軽いキスをして。

「今回の件は失敗するわけにはいかない…なのに、お前が足りないことが、邪魔する」
「ご、ごめん…」
「…いつも弁当、ありがとな」
「零が喜んでくれるなら…なんだって」
「あいつらにも使ってるって風見から聞いたけど」
「おっと」

甘い雰囲気が、急に不穏になるのは。
シートが倒されて、零の顔が近い。



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