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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第68章 忍び寄る影


その次の日、先輩が用事があるからと探偵事務所を早めに終えた。
早めに本庁に行ってやること終わらせたいと思いながら階段を降りたら、透さんと鉢合わせ。

「…こんにちは、休憩時間?」
「ええ、…ついでに買出しに行こうかと。○○は?」
「先輩が用事あるみたいで、今日はこれで終わり」
「そうですか、お疲れ様です」

触れ合わない恋人との距離感の取り方が…正直、わからない。
…でも、触れたら多分…止まらない。
浮気防止と言われた全身の痕は、随分と薄くなっていた。つまりは…全身全霊で零不足なんだ。

「…○○、どうしました?顔が…曇ってます」
「……透さんが不足しすぎて今私はどうしたら良いか困ってるところです」
「はい?」

困った声。
…知ってる。困らせたいわけじゃない。

「…○○、良かったら僕の休憩時間付き合ってもらえませんか」

小さく笑われて、手を差し出された。
それに頷いて抱きついた。
…キスしたい。深く繋がりたい。
でも、なにより…この人と居られる時間が、欲しかった。

「そんなに嬉しいですか?」
「まぁ、そりゃあ」

緩む顔が止まらない。
透さんと歩きながら、コナンくんの言っていた人がついてきてるのがわかった…透さんが背後へちらっと視線を向けて、軽くため息を吐く。

「残念ながら、人目があるので激しいことはシてあげられませんね」
「……後ろの人捕まえたら、シてくれるの?」
「もっと穏便に行きましょう」

住宅地に入って、路地を曲がる。
いつものように笑いながら話して。
その先が行き止まりなことを、私も透さんも知っている。
少しだけ身を隠して、つけていた男の人が行き止まりとなる塀に戸惑って周りをキョロキョロと探す。…零の後をつけようとするなんて100年早い。

「僕に何かご用ですか?」

透さんとその人の前に姿を表す。…その人は、どう見ても…犯罪臭のしない普通の人だった。

「別に…この先に用があって」
「でも、この先は行き止まりですよね」
「最近ポアロによくいらっしゃるお客様ですよね。なぜ僕を尾行するんでしょか?」

…その人と透さんを見ながら…後ろから気になる視線が。
目線だけ後ろに向ければ、少年探偵団の子たちが覗いていた。
相変わらず…詮索好きで正義感の強い子供たちだ。



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